株式投資をする上で、自身の投資方針やポートフォリオを考える中で足かせとなっている「ドル建て終身保険のデメリット」について書きたいと思います。
結論から言いますと、途中で解約した場合は大損します。
パワ夫は夫婦で「10年支払いドル建て終身保険」を積み立てていますのでその「悲惨なリアル」をお届けします。
また、慎重に書いていますが内容に誤りがある可能性がございますのでパワ夫の独り言として読んで頂ければ幸いです。
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実録!パワーカップルの財政事情〜情弱夫が陥った金融投資②「保険編」〜
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*本当に悩みます
本日の議題
- ドル建て終身保険に加入した理由
- 為替手数料
- 途中解約の場合、株式に例えると暴落・大暴落並の資産減が待っている
- 予定利率は実際に運用される利率ではない
ドル建て終身保険に加入した理由
ドル建て終身保険は日本の終身保険と内容は大きくは変わりません。代表的な特徴は「保険料支払い、受け取りは米ドル」・「予定利率が日本と比べて高い」等が挙げられます。
そんなパワ夫が契約した理由は下記の通りになります。
契約した理由
①20代後半、年収が急に200万程上がり、資産運用と思っていた時に提案があった
②掛け捨てではなく貯蓄機能も備えている
③長期運用すれば米ドルベースで資産が増える
④米ドルと円を保有し通貨リスクの分散ができる
⑤死亡時にはある程度の保証があり、妻に少しでもお金を残せる
当時は株式投資やNISAに興味がなく、投資予定もなかったので円貯蓄+ドル建て終身のみで老後までに資産形成が少しでも出来ればと考えて契約しました。
余り深く理解することなく契約したドル建て終身保険はリスクがあります。
デメリット
①割高な手数料→厳密には一般に公表されていないのが主
②長期的な資産拘束→途中解約で資産激減
③為替リスクは全て契約者負担→資金拘束とダブルパンチ
手数料もそうですが、長期的な資産拘束が一番デメリットに感じています。
ご覧になられた読者様でしたらメリット・デメリット見てどちらを選びますか?
各社の為替手数料
ドル建て終身保険は米ドルベースで支払いをします。私は円引き落としで米ドルに変えて支払いをしています。
代表的な保険会社の為替手数料は下記の通りです。
代表的な保険会社 | 為替手数料 |
ソニー生命 | 1銭 |
プルデンシャル生命 | 25銭 |
ジブラルタ生命 | 50銭 |
メットライフ | 50銭 |
*2019年11月1日時点で各社HPを調べましたので更新されている可能性がございます。
ソニー生命の為替手数料はかなり安いと思います。現在、住信SBIネット銀行でドル転してますが積立で2銭、定期買付けで4銭発生します。
それ以外の会社では25銭〜50銭とネット銀行等と比べてると手数料が割高です。
一回の支払いでは大した金額ではありませんが10年、20年と支払いを続ける場合は大きな差になります。
途中解約の場合、株式に例えると暴落・大暴落並の資産減が待っている
パワ夫が契約している内容をざっくりまとめました。パワ妻も加入していますが今回は割愛します。
支払い年数は敢えて伏せますが3年で払済にした場合は払込金額に対して40%減とリーマンショック級の資産減になります。5年で払済にすると約30%減。
図の通り、途中で辞めると超ハイリスク・ノーリターンになります。何があっても長期で継続できる方のみがメリットを享受できます。
契約を考えている方がいましたら、まずは私の悲しい境遇を見て本当に「長いお付き合い」ができるか考えてみて下さい。
■情弱夫のシミュレーション
期間 | 払込保険料(米ドル) | 解約返戻金額(米ドル) | 差額(米ドル) | 支払対比 |
1年目 | 6,500 | 200 | -6,300 | 3.08% |
2年目 | 13,000 | 5,780 | -7,220 | 44.46% |
3年目 | 19,500 | 11,520 | -7,980 | 59.08% |
4年目 | 26,000 | 17,440 | -8,560 | 67.08% |
5年目 | 32,500 | 23,520 | -8,980 | 72.37% |
6年目 | 39,000 | 29,760 | -9,240 | 76.31% |
支払いで困ることはまずないと契約時に思っていました。現時点でも支払いに困ってるわけではありません。
長期間資金拘束をされる割には30年後のリターンがあまりにも低すぎる点と、妻の年収も増えたことである程度の資産形成が出来たので、公的保障で充分と思うようになりました。
ちなみに10年支払完了しても20%減の状態からスタートし5年後にやっと100%になります。保険料や運用手数料等がありますからね。
65,000ドルを20年寝かして約92,000ドルにするより、今すぐに65,000ドルを高配当株に投資し、税引き後3.5%の配当利回りで20年間配当金45,500ドルをもらったほうがリターンも圧倒的に高いですよね。
保険/高配当 | 入金額(米ドル) | 20年後(米ドル) | 備考 |
ドル建て入金 | 65,000 | 92,000 | 年2.4%増 |
高配当株式入金 | 65,000 | 110,500 | 入金額+税引3.5%配当金20年 |
配当金の再投資は加味していません。加味すると更に差が生まれます。
20年後、株の評価額が約17%減してもドル建て運用と同じ米ドル金額になります。これ見たらもう払済にするしかないですね。
予定利率は実際に運用される利率ではない
予定利率は4弱%と営業を受けて4%弱ならと思って契約した方はいるのではないでしょうか。
契約された方でしたら各生命保険会社の積立シミュレーションを見て下さい。
私の場合は予定利率4%弱を提示されましたが実際には2.4%前後で増える試算がされています。
改めてセールスに確認したのですが予定利率から運用等の諸経費を引いた分が実際の利率が2.4%との事でした。
聞いてない。。。さ、詐欺!?と思いました。
4年目で払済にした場合、いつ支払った金額に達するのか確認してみましょう。*(例)年2.4%増で試算。
■4年で払済にした場合
期間 | 払込保険料(米ドル) | 解約返戻金額(米ドル) | 差額 | 対比 |
4年目払済 | 26,000 | 17,440 | -8,560 | 67.08% |
5年目 | 26,000 | 17,859 | -8,141 | 68.69% |
6年目 | 26,000 | 18,287 | -7,713 | 70.34% |
7年目 | 26,000 | 18,726 | -7,274 | 72.02% |
8年目 | 26,000 | 19,175 | -6,825 | 73.75% |
9年目 | 26,000 | 19,636 | -6,364 | 75.52% |
10年目 | 26,000 | 20,107 | -5,893 | 77.33% |
11年目 | 26,000 | 20,590 | -5,410 | 79.19% |
12年目 | 26,000 | 21,084 | -4,916 | 81.09% |
13年目 | 26,000 | 21,590 | -4,410 | 83.04% |
14年目 | 26,000 | 22,108 | -3,892 | 85.03% |
15年目 | 26,000 | 22,638 | -3,362 | 87.07% |
16年目 | 26,000 | 23,182 | -2,818 | 89.16% |
17年目 | 26,000 | 23,738 | -2,262 | 91.30% |
18年目 | 26,000 | 24,308 | -1,692 | 93.49% |
19年目 | 26,000 | 24,891 | -1,109 | 95.74% |
20年目 | 26,000 | 25,489 | -511 | 98.03% |
21年目 | 26,000 | 26,100 | 100 | 100.39% |
なんと、支払い開始から21年後にやっと回収できるシミュレーションになります。涙しか出ませんね。
21年後のお金の価値が現在と同じではないので厳密には21年後でもマイナスです。
まとめ
年収が急に上がったり、資産運用したいと思った時には要注意です。ドル建て終身保険でも、株式投資でも、不動産投資でもご自身で納得いくまで調べ上げて決める事を強くオススメします。
ドル建て終身保険はあと数年で半分の支払いが完了しますので、その際に払済にしようかと考えています。パワ夫としては大失敗の総括となりました。
色々言いましたが、万人に悪い保険ではないとは思いますのでそれぞれ皆様のご家庭の状況で判断頂ければと思います。
前向きに捉えると、20代のうちに失敗しておいて良かったと思います。
こんな奴もいたと思って思い出して頂ければ幸いです。